息子の伊織は13歳の時、単身でイギリス留学を始めました。当時自宅の近くで通っていた塾の先生が、自分も留学経験があったことから、「伊織君なら、早いうちから留学した方が良いです、」と勧めてくださったのがきっかけでした。伊織は小学1年生から、地元、静岡のサッカーチームに所属しているサッカー少年でした。たまたま、知り合いの子供さんが留学していたイギリスのボーディングスクールを、春休みの間に見学に行くことになったのですが、伊織にとって、イギリスと言えばサッカーでした。シュロップシャー州にある、Bedstone Collegeという学校でしたが、下は3歳から上は18歳まで、全校生徒を合わせても200名ほどの学校で、敷地内にはラグビー場があり、サッカーコートは2面もありました。こんな環境を目の当たりにした伊織は、しばらくそのまま残りたい、と強く希望したため、見学どころか、そのまま体験入学をすることになり、春休みの間、イギリスに残ることになりました。その後、準備のためいったん帰国をしましたが、伊織の心は既にイギリスに。全く英語が出来ないままに留学を決めた伊織は、はじめのうち、今から始まるのが何の授業かもわからず、どれほど苦労したかわかりませんが、海外の友達と交流を図りながらサッカーをして、その先はプロ選手に、と思っていたに違いありません。Bedstone Collegeでは毎日いろんなスポーツを盛んに行っていて、伊織は週末には何かしらの大会にかり出されていました。特に陸上の大会では、すぐに活躍するようになったので、他の学校のコーチから、800メートルの競技を本気でやってみないかと言われたこともありました。サッカーがやりたくてBedstone Collegeに行った伊織でしたが、こんなふうに他の競技に忙しく、自分の意志でサッカーやりたいなんて言っている場合ではなくなりました。でもそのおかげで、友達もたくさん出来て、半年後の夏休みには、受け入れ先のガーディアンさんも驚くほど英語が上達していました。 次回は伊織のラグビーのお話・・・。