寮生活では細かい生活のルールがありましたが、洗濯物については、確かランドリーレディーと呼ばれる専門のスタッフの方が居て、週に二度ほど回収がありました。出した洗濯物が、ちゃんと自分のところに帰ってくるように衣類一つ一つにネームテープを縫い付けておかなけらばなりませんでしたが、これは親の仕事でした。なので私も日本から衣類を送る時や、長い休みで伊織が帰国している間に、せっせと衣類に「iori tabata」と刺繍してあるネームテープを縫い付ける作業をしていました。週一度の伊織と私の国際電話の時に、パンツを毎日洗濯に出しているのか伊織に聞いたところ、「みんなも毎日パンツを洗濯に出さないんだから、僕だけそうしたら変な奴だとおもわれるだろ!」と言っていました。シャワーで使うバスタオルもみんなに習って洗濯に出すのは週に一回でした。仕上がった洗濯物を取りに行くのは当番の生徒の役目でしたが、伊織は時々この仕事をすっぽかしたので、同室の生徒は随分迷惑だったことでしょう。日本の洗濯事情と比べて、少しうらやましく思ったことは、ガーディアンのボブさんに送り迎えをしてもらっていたサッカーチームの練習や試合の時は、コートに付いたときにユニフォームを渡され、その後はその場で回収されるので、親が泥んこのユニフォームを洗濯する苦労をしなくて済む、という事でした。

~~~~~次回は寮での食事情についてのお話