静花の入学した東海大学ハワイ校は、アラモアナから歩いて行けるほどの場所にあるだけでなく、静花の寮の部屋からは眺める景色は中ランクのホテルに滞在しているくらいの満足感は得られるほどで、私が初めて面会に行ったときにはこんな贅沢な留学があって良いのかと思ってしまうほどでした。静花はとてもまじめな性格で、決められたことを毎日コツコツと努力して成し遂げていくタイプだったので、ハワイ校での学習は静花にはむいていました。1年が4学期制で学生たちはいつも試験に追われていましたが、静花は毎回良い成績で順調に単位を取りました。アラモアナやワイキキや、観光客に人気の地元のレストランに浮かれる事もなく、時間を惜しんで朝から晩まで勉強に励んでいました。卒業式の代表スピーチを見守ることが出来たことは家族にとって、この上無いほどの誇りでした。一方、そんな環境は、サーフィン好きの男子学生にとっては過酷な環境でした。誘惑が多すぎて勉強どころではありません。試験に合格しないと単位を取れず、留年することになるので、それを繰り返し途中で挫折してしまう学生もいたようでした。もし、伊織がこちらに来ていたら、卒業は難しいというような無残な結果になっていたかもしれません。静花が卒業した後、この校舎はハワイ大学がある位置に隣接した場所に移設されたようで、アラモアナから車で45分、以前のような遊びの誘惑からは遠ざけられる環境にリニューアルされました。 ~~~~~静花の将来の希望の職業、の話はまた次回