英会話力が試される日

イギリス留学をしていた息子が夏休みを利用し、
寮生活で仲良くしている友達3人を連れて帰国することになりました。
息子が15歳の頃でした。

私は息子の留学が始まったのをきっかけに、
こんな日が来ることを予想して、
英会話の勉強を始めていたのでした。

駅前留学のNOVAに入会し、
テレビ電話で毎日レッスンを受け、
教室に出かけて行き
トークルームのようなグループトークにも挑戦したり・・・。

英会話教室は私にとって、
学生以来の学習意欲を掻き立てられるもので、
熱心に勉強しましたが、

英会話力の成長よりも、
講師の先生と英語で会話したり、
グループレッスンの他のメンバーと話したり、
そのこと自体が楽しくて、
それはそれは充実した日々が続いたのでした。

とは言え、
一番の目標は海外の人とペラペラ英語で会話することだったので、
息子の3人を連れての帰国は、
その成果を試す絶好のチャンス、と言えるものでした。

息子は寮生活の合間に、
電話でこの仲良し友達3人の話をよくしてくれていたので、
私も彼らには、会う前から親近感が湧いていました。

寮生活はどうなのー?
ハリーくん、息子をよく週末に招待してくれてありがとう!
ボブくん、バンドでの活躍は素晴らしいんですってねー
イヴァンくん、いつも伊織に勉強のアドバイスをしてくれているそうねー

私は息子の母として
カッコよく英語で会話を繰り広げる予定でした。

でも、
この予定は、彼らを成田から静岡まで乗せる車の中で、
早くも打ち砕かれてしまいました。

役に立たなかった英会話

成田の出迎えゲートで感動の初対面、
私は彼らに
「Nice to meet you!」
こそちゃんと言えました。

そして彼らも、なんか言った・・。

とても礼儀正しく、多分名前を。
ハリーです、とか、ロブです、とかイヴァンです、とか。

車に乗ると彼らは楽しげに会話したり笑いあったり、、。
初めのうちこそ私は聞き耳を立てていましたが、

私は彼らが何を喋っているのか全く分からない・・。

私はあんなに英会話を勉強していたのに・・・。
彼らが言うなにかを・・・、
「グジュグジュ!」
にしか理解できませんでした。

ハリーくんはとてもやさしく
映画で見たことのある
イギリス青年みたいで、
私に話すときはゆっくり丁寧に英語を話してくれたので、
私は申し訳ない気持ちになり、
ついつい日本語を喋って伊織に通訳を促す始末でした。

10日間のこの出来事のあと、私は肩の力が抜けてしまい
しばらく英会話をする気にならなかったのは言うまでもありません。